仙台でのグレードテスト

昨日、仙台に行って来ました。
東北ギター振興会が主催する「クラシックギターグレードテスト」で
審査の手伝いをして来ました。

昭和47年から始めている、とても歴史のあるグレードテストで、
1級取得者は東京のコンクールなどで入賞するなど活躍する方も多くいますし、
ギターアンサンブル等で指導的な立場の方もいます。

2年ぶりに東北の先生方と会うことが出来ましたが、会ってみると
2年前と変わらず皆元気でいつもの和気あいあい、当然ながら震災の
話に花がさきました。

グレードテストには私の生徒も4人受講しましたが、幸い全員好成績で
合格しました。
まずは一安心です、オメデトウ!

grade1.jpg
グレード終了後の打ち合わせ。
私は運営の方に参加できないのが心苦しいのですが、
仙台の先生方は仕事の分担をわきまえ、しっかりと責任を持って
毎年こなしている姿勢には敬服します。

今回、私が審査した中でとても印象的な受講生がいました。
年は60代後半、2級を受講しました。Morrisの古い
ギターを持参、最初は先生と課題曲の2重奏。所が調弦がめちゃくちゃ
でしばらく先生が調弦。チョットいやな予感・・・

さて2重奏開始!カルリの「序奏とロンド」
始めは少しテンポが速過ぎかな・・相手の先生会わせるの大変そう・・
いよいよエスカレート(乗ってきたと言えないこともない・・)
ガンガン行くがリズムは何処へ、相手はどこへ・・
ともかく無我夢中で最後まで弾き、2重奏終了。

続いて課題曲のカルカッシの練習曲より24番。
ゆったりとしたメロディの美しい曲ですよね。
所が、突然全力で突っ走る演奏。リズムはおろか曲想が全く
かみ合わない。最後の自由曲ジュリアーニ「のヘンデルの主題と変奏」
は弾いているのはたぶんその曲だろうな・・と理解は出来ましたが
あまりの迷演に腰が抜けてしまいました。
これ本当で・・・椅子から立ちあがろうとしたら腰に激痛が・・
今も痛いです、数年ぶりに腰の痛みが出てしまいました。
~単なる偶然です(汗)

ただ、実は不思議とこの演奏終了後、ある意味で感動していた
自分がいたのも事実でした・・・よくあそこまで一生懸命思いっきり
弾けるものかと・・・。

グレード終了後その方を教えている先生の話を聞いて
納得した事がありました。

この方は津波で流された被災者だったんですね。
今は、仮設住宅で暮らしていて、ギターが全く弾けない
状態だそうです。
楽器も手工品の良いギターを持っていたのですが、このギターを
避難所の部屋から盗まれてしまったそうです。
それで、先生からMorrisギターを借りて練習し、グレードに臨んだ
とのことでした。

そんな状況の中でのグレードテストは本人にとってどの様なものだったのか
私には推し量ることは出来ませんが、この人にとってギターは明らかに大切な
ものだったのでしょうね。

また、泣かされるのは?テスト終了後、
先生に「来年も必ず受けます、頑張ります。」
と、元気に言ったそうです。
~まだ合否は伝えていないのにです・・・。

何か、あの演奏また聴きたくなりました(ホントです)
音楽の本質、感動は予測できない所にあるんですね。
勉強になりました。

grade2.jpg
終了後の打ち上げでカンパーイ。
東北の先生方といると古巣に帰ったようにホッとした気持ちになります。
お世話になりました。


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渡辺隆

Author:渡辺隆
福島県郡山市に住むクラシカルギタリスト。ギター教授。ギター演奏グループ「ギタリスタス“あだたら”」主宰

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