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スペインの音楽の旅レポートⅥ~コンクール編~

スペイン音楽の旅レポートⅥ
3月9日/Santisteban del Puerto,Jáen
◆XIX Concurso Internacional de Guitarra COMARCA EL CONDADO
コマルカ・エル・コンダード国際ギターコンクール予選

コンクールはサンティステバン市街にある「El Almoraduz, 」で9日に予選、10日に本選が行われました。
会場の「El Almoraduz, 」は元々"Fabrica de Aceite"と白壁に書いてあったのでオリーブオイルを作る工場だったようです。現在は宿泊施設を備えた、多目的な施設として使われている様に感じました。ホールも決して広くはないですが、傍らに暖炉があり、演奏中も薪のパチパチする音が聞こえ、一歩外へでると大きなナツメヤシの木が真っ青な空や、夜の満天の星空に良く合い。日本のコンクール会場とは全く違う、アットホームな不思議な所でした。
さて予選には、世界各国から20名のエントリーがありましたが、7名の欠席者があり、13名で10日に行われる5名の本選出場権を競いました。日本人では小林政貴と渡邊 華がエントリー。もう1名日本人のエントリーがありましたが、残念ながら欠席でした。
予選での規定は時代の違う作品、2曲以上を10分以内で演奏するという事でした。

sinsain.jpg
予選審査員にはピアニストのホセ・マヌエル・クエンカ、マリア・エステル・グスマン、らの顔が見れます。
ゲスト審査員としても私も末席にいます。

concurso4.jpg
コンクールの合間には15分ほど休憩が入ります。所が審査員はその間外に出てコーヒータイム・・。45分ほど過ぎてのんびりと帰ってきました。それから後半の演奏が始まります。聴衆も分かっていて、のんびりした環境で国際コンクールが行われていました。分刻みのスケジュールで日本のコンクールは行われますが、全く違う環境での国際コンクール。結構気に入りました・・?

39 国際ギターコンクール_190503_0022
会場のEl Almoraduzの中庭には大きなナツメヤシの木があります。華さんは次の奏者なのですが審査員の方々がコーヒータイムからまだ帰ってこないので、のんびり待っている所です。

予選の演奏が開始されると、そのレベルの高さに圧倒されました。技術的にはどんな困難なパッセージでも終始余裕があり、聴かせどころを充分に心得た演奏スタイルは、既にコンクール慣れしていることと、ステージ経験の豊富さを感じさせます。その中で日本人2人の健闘も光りました。豪快な外国奏者に対し繊細な表現を信条としたスタイルでしたが渡邊華さんは、ダウランドの「プレリュード」とモンポウのコンポステラ組曲から「プルリュード&ムニェイラ」を、素晴らしい集中力で実力を十分に発揮、見事に本選の切符を手にしました。小林政貴くんもタレガの「アラビア風奇想曲」とタンスマンの「マズルカ」を好演しましたが、残念ながら細かなミスがあり、惜しくも本選には行けませんでした。

39 国際ギターコンクール_190503_0010
予選演奏/渡邊 華
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予選演奏/小林政貴

本選に選ばれたのは以下の奏者
Simone Rinaldo (Italia)
Luis Guevara (Chile)
Nicolas Guillén Acevedo Salinas (Chile)
Hana Watanabe(Japón)
Airam de Vera Ramos(España)


3月10日/Santisteban del Puerto,Jáen
◆XIX Concurso Internacional de Guitarra COMARCA EL CONDADO
コマルカ・エル・コンダード国際ギターコンクール本選

本選の課題曲はアンダルシア出身の作曲家の作品を必ず1曲入れ、20分以内で演奏すること。
演奏順にプログラムを記しておきます。

1.Simone Rinaldo (Italia)
Minueto(F.Tárrega)
Homenaje(M. de Falla)
Sonata(A.Ginastera)
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優勝したSimone Rinaldo (Italia)

2.Luis Guevara (Chile)
Homenaje(M. de Falla)
Sonata No.1(L.Brower)

3.Nicolas Guillén Acevedo Salinas (Chile)
Homenaje a Tárrega(J.Turina)
SonataⅠ・Ⅲ・Ⅳ(A.José)

4.Hana Watanabe(Japón)
Aire Vascos(A.J.Manjón)
Preludio/Barcarola/Danza Pomposa(A.Tansman)

5.Airam de Vera Ramos(España)
Danza de los Ancestros(L.Wrower)
Raaga(J.Turina)
Sonata Ⅰmov(A.J.Martínez Palacios)


●Resultado(結果)
Primer Premio: SIMONE RINALDO (Italia)
Segundo Premio: LUIS GUEVARA (Chile)
Tercer Premio: AIRAM DE VERA RAMOS (España)
Premio del Público ANDRÉS SEGOVIA(聴衆賞): AIRAM DE VERA RAMOS
Premio Mejor Intérprete Música Andaluza: (※アンダルシア賞)LUIS GUEVARA
※アンダルシアの作品を一番良く弾けた奏者に与えられる。

▲Diploma finalistas: (ファイナリスト:卒業証書)
Hana Watanabe(Japón)
Nicolas Guillén Acevedo Salinas (Chile)

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310 国際ギターコンクール 本選表彰式_190503_0008
ファイナリスト/卒業証書の授与と景品のオリーブオイル
頂きました。

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ファイナリスト・コンクール主催者ムニョス氏、リナレス市長とのスナップ

本選を聴いた印象は予選と同じで、特に1位のSimoneは圧倒的な演奏能力の高さを感じました。全体に演奏曲はコンクールである事から技巧的な作品を選曲した奏者が多く、テクニックで圧倒させる印象があり、もう少し深みのある音楽も聴きたいと感じました。渡邊 華さんもハイレベルな国際コンクールで自分らしさを見失わず、良く健闘してくれました。惜しくも本選に残れなかった小林政貴くんも同様にこの貴重な体験を今後に生かしてくれると思います。

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9日の予選会のあとの夕食会。沢山の方々と交流することが出来ました。

310 国際ギターコンクール 本選表彰式_190503_0001
10日のコンクール終了後はリナレス市長が私達を招待してくれました。私の方からは会津の「赤べこ」をプレゼントしました。スペインは闘牛が国技?ですからとても喜んで頂きました。

これで、コンクールも無事終了し、~スペイン音楽の旅~の「音楽編」は予想以上の成果と感動的な体験の連続でした。この「スペイン音楽の旅」の実現は、私にとって大きな夢物語でしたが、企画して頂いた手塚健旨さんには感謝の言葉では済まない位お世話になりました。また、それ以外でも家族の理解や、多くの方々の協力がなければ実現出来なかったことは間違いありません。そして、この旅を最高の形で実現できた大きな理由として、積極的に参加してくれた11人の仲間たちへ心からの感謝と御礼を申し上げます。
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渡辺隆

Author:渡辺隆
福島県郡山市に住むクラシカルギタリスト。ギター教授。ギター演奏グループ「ギタリスタス“あだたら”」主宰

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